Ubuntu 8.10での、プリンタドライバのインストールとアンインストールについて説明します。

準備

ネットワーク接続の確認(LAN接続の場合のみ)

コンピュータがネットワークに接続されていることを確認してください。無線LANの場合は、コンピュータとアクセスポイント間で、セッションが確立している必要があります。

プリンタドライバパッケージの準備

キヤノンのWebサイトから、以下のアーカイブファイルをダウンロードしておきます。

cnijfilter-mx860series-3.10-x-i386-deb.tar.gz

上記ファイル名の「3.10-x」の部分はバージョン番号です。

本機の接続

USB接続の場合

インストールを始める前に、コンピュータと本機をUSBケーブルで接続して、本機の電源を入れてください。

本機を接続した際に、プリンタの追加を促す画面が自動的に表示される場合は、キャンセルしてその画面を閉じてください。

LAN接続の場合

本機を、有線LANまたは無線LANのどちらかに切り替えて、ネットワークに接続します。

有線LANの場合は、本機とネットワーク機器をLANケーブルで接続します。
無線LANの場合は、本機の無線LAN接続設定をWPS設定にし、PINコード/プッシュボタン方式で接続設定を実行します。

有線/無線の切り替えおよび無線LAN接続設定は、本機の操作パネルのメニューボタンから行ってください。

初めて本機をネットワークに接続する際には、以下の制限があります。

同一セグメント内でのDHCP環境下での接続のみ対応します。
ただし、固定IP環境でも本機にIPアドレスが設定されていれば問題ありません。

無線LANは、WPS対応アクセスポイントとの接続のみ対応します。

インストール

プリンタドライバのインストールは、root権限で行う必要があります。
Ubuntuでは、sudoコマンドを使用してインストールを行います。

パスワードを聞かれた場合は、ログインしているユーザー自身のパスワードを入力してください。
Ubuntuでは、デフォルトでrootのパスワードは設定されていません。

1. プリンタドライバのインストール

ターミナルソフトのコマンドラインから、以下のコマンドでプリンタドライバをインストールします。

1) アーカイブファイルを解凍し、展開されたディレクトリに移動

[user@zzz /yyy]$ tar zxvf cnijfilter-mx860series-3.10-x-i386-deb.tar.gz
[user@zzz /yyy]$ cd cnijfilter-mx860series-3.10-x-i386-deb

2) プリンタドライバのインストール

[user@zzz /yyy]$ sudo ./install.sh

2. CUPSデーモンの再起動

ターミナルソフトのコマンドラインから、次のように入力します。

[user@zzz /yyy]$ sudo /etc/init.d/cups restart

CUPSデーモンの再起動をする前に、lpadminコマンドによるプリンタの登録を行わないでください。

3. プリンタのスプーラへの登録

ターミナルソフトのコマンドラインから、lpadminコマンドでプリンタをスプーラに登録します。[プリンタ登録名]は好きな名前で登録することができます。

USB接続の場合

sudo /usr/sbin/lpadmin -p [プリンタ登録名] -m [PPDファイル名] -v cnijusb:/[USB接続先] -E

プリンタ登録名]を「MX860」として登録する場合の例:

[user@zzz /yyy]$ sudo /usr/sbin/lpadmin -p MX860 -m canonmx860.ppd -v cnijusb:/dev/usb/lp0 -E

LAN接続の場合

sudo /usr/sbin/lpadmin -p [プリンタ登録名] -m [PPDファイル名] -v cnijnet:/[MACアドレス] -E

MACアドレスは、本機の操作パネルから確認します。MACアドレスは大文字・ハイフン区切りで指定します。

MACアドレスが「00:00:85:AB:C1:23」で、[プリンタ登録名]を「MX860」として登録する場合の例:

[user@zzz /yyy]$ sudo /usr/sbin/lpadmin -p MX860 -m canonmx860.ppd -v cnijnet:/00-00-85-AB-C1-23 -E

本機のMACアドレスは、以下の手順で確認します。

1. 本機の操作パネルのメニューボタンを押します。

2. ボタンとOKボタンを使用して、[設定]、[本体設定]、[LAN設定]、[無線LAN設定表示]または[有線LAN設定表示]の順に選択します。

3. 表示されたネットワーク設定情報の中から、[MACアドレス]を確認します。

有線LANと無線LANではMACアドレスが異なるため、本機の有線/無線を切り替えた場合には、プリンタの再登録が必要です。

4. デフォルトプリンタの設定

ターミナルソフトのコマンドラインから、印刷コマンドで、[プリンタ登録名]を省略した場合に使用されるデフォルトプリンタを設定します。
この設定は、必要に応じて行ってください。

sudo /usr/sbin/lpadmin -d [プリンタ登録名]

例:

[user@zzz /yyy]$ sudo /usr/sbin/lpadmin -d MX860

5. コンピュータの再起動

アンインストール

プリンタドライバのアンインストールは、root権限で行う必要があります。
Ubuntuでは、sudoコマンドを使用してアンインストールを行います。

パスワードを聞かれた場合は、ログインしているユーザー自身のパスワードを入力してください。
Ubuntuでは、デフォルトでrootのパスワードは設定されていません。

1. スプーラからプリンタを削除

ターミナルソフトのコマンドラインから、lpadminコマンドでプリンタのスプーラ登録を削除します。

sudo /usr/sbin/lpadmin -x [プリンタ登録名]

プリンタ登録名]が「MX860」の場合の例:

[user@zzz /yyy]$ sudo /usr/sbin/lpadmin -x MX860

2. プリンタドライバのアンインストール

ターミナルソフトのコマンドラインから、以下のコマンドでプリンタドライバをアンインストールします。

[user@zzz /yyy]$ sudo cnijfilter-mx860series-deb-pkgconfig.sh --uninstall