Fedora 10/openSUSE 11.1での、プリンタドライバのインストールとアンインストールについて説明します。

準備

SELinuxの設定(Fedora 10のみ)

インストール前に、SELinuxの設定変更を行ってください。

1) デスクトップパネルから[システム]-[管理]-[SELinux Management]を選択します。

2) [状態]を選択し、[システムデフォルトの強制モード]設定を[Permissive]に変更します。

3) コンピュータを再起動します。

ネットワーク接続の確認(LAN接続の場合のみ)

コンピュータがネットワークに接続されていることを確認してください。無線LANの場合は、コンピュータとアクセスポイント間で、セッションが確立している必要があります。

ファイアウォールの設定(LAN接続の場合のみ)

本機との通信が行えるよう、ファイアウォールの設定でTCP/UDPのポート8611を許可します。

ファイアウォールの設定画面は、ディストリビューションによって異なります。

Fedora 10の場合

1) デスクトップパネルから[システム]-[管理]-[ファイアーウォール]を選択します。

2) [ファイアーウォールの設定]画面で、[その他のポート]を選択します。

3) [追加]ボタンをクリックし、表示されたポート番号のリストから、ポート8611のプロトコルudpを選択し、[OK]ボタンをクリックします。

4) 3)と同様に、ポート8611のプロトコルtcpを追加します。

5) [適用]をクリックします。

openSUSE 11.1の場合

1) デスクトップがGNOMEの場合は、メニューから[YaST]を選択します。デスクトップがKDEの場合は、メニューから[アプリケーション]-[システム]-[管理者設定]を選択します。

2) [セキュリティとユーザ]セクションの[ファイアウォール]を選択します。

3) [許可するサービス]から[詳細...]ボタンをクリックし、[追加で許可するポート]ダイアログを表示させます。

4) [TCPポート]と[UDPポート]にポート番号「8611」と入力し、[OK]ボタンをクリックしてダイアログを閉じます。

5) [次へ]ボタンをクリックし、続けて[完了]ボタンをクリックします。

cupsd.confの修正

お使いの言語設定に合わせて、DefaultLanguageを修正してください。
/etc/cups/cupsd.confをエディタで開いて、末尾に以下の行を追加します。

例:日本語環境の場合

DefaultLanguage ja_JP

プリンタドライバパッケージの準備

キヤノンのWebサイトから、以下のアーカイブファイルをダウンロードしておきます。

cnijfilter-mx860series-3.10-x-i386-rpm.tar.gz

上記ファイル名の「3.10-x」の部分はバージョン番号です。

本機の接続

USB接続の場合

インストールを始める前に、コンピュータと本機をUSBケーブルで接続して、本機の電源を入れてください。

本機を接続した際に、プリンタの追加を促す画面が自動的に表示される場合は、キャンセルしてその画面を閉じてください。

LAN接続の場合

本機を、有線LANまたは無線LANのどちらかに切り替えて、ネットワークに接続します。

有線LANの場合は、本機とネットワーク機器をLANケーブルで接続します。
無線LANの場合は、本機の無線LAN接続設定をWPS設定にし、PINコード/プッシュボタン方式で接続設定を実行します。

有線/無線の切り替えおよび無線LAN接続設定は、本機の操作パネルのメニューボタンから行ってください。

初めて本機をネットワークに接続する際には、以下の制限があります。

同一セグメント内でのDHCP環境下での接続のみ対応します。
ただし、固定IP環境でも本機にIPアドレスが設定されていれば問題ありません。

無線LANは、WPS対応アクセスポイントとの接続のみ対応します。

インストール

プリンタドライバのインストールを行う場合は、rootでログインしてください。

1. プリンタドライバのインストール

ターミナルソフトのコマンドラインから、以下のコマンドでプリンタドライバをインストールします。

1) アーカイブファイルを解凍し、展開されたディレクトリに移動

[root@zzz /yyy]# tar zxvf cnijfilter-mx860series-3.10-x-i386-rpm.tar.gz
[root@zzz /yyy]# cd cnijfilter-mx860series-3.10-x-i386-rpm

2) プリンタドライバのインストール

[root@zzz /yyy]# ./install.sh

2. CUPSデーモンの再起動

ターミナルソフトのコマンドラインから、次のように入力します。

[root@zzz /yyy]# /etc/init.d/cups restart

CUPSデーモンの再起動をする前に、lpadminコマンドによるプリンタの登録を行わないでください。

3. プリンタのスプーラへの登録

ターミナルソフトのコマンドラインから、lpadminコマンドでプリンタをスプーラに登録します。[プリンタ登録名]は好きな名前で登録することができます。

USB接続の場合

/usr/sbin/lpadmin -p [プリンタ登録名] -m [PPDファイル名] -v cnijusb:/[USB接続先] -E

プリンタ登録名]を「MX860」として登録する場合の例:

[root@zzz /yyy]# /usr/sbin/lpadmin -p MX860 -m canonmx860.ppd -v cnijusb:/dev/usb/lp0 -E

LAN接続の場合

/usr/sbin/lpadmin -p [プリンタ登録名] -m [PPDファイル名] -v cnijnet:/[MACアドレス] -E

MACアドレスは、本機の操作パネルから確認します。MACアドレスは大文字・ハイフン区切りで指定します。

MACアドレスが「00:00:85:AB:C1:23」で、[プリンタ登録名]を「MX860」として登録する場合の例:

[root@zzz /yyy]# /usr/sbin/lpadmin -p MX860 -m canonmx860.ppd -v cnijnet:/00-00-85-AB-C1-23 -E

本機のMACアドレスは、以下の手順で確認します。

1. 本機の操作パネルのメニューボタンを押します。

2. ボタンとOKボタンを使用して、[設定]、[本体設定]、[LAN設定]、[無線LAN設定表示]または[有線LAN設定表示]の順に選択します。

3. 表示されたネットワーク設定情報の中から、[MACアドレス]を確認します。

有線LANと無線LANではMACアドレスが異なるため、本機の有線/無線を切り替えた場合には、プリンタの再登録が必要です。

4. デフォルトプリンタの設定

ターミナルソフトのコマンドラインから、印刷コマンドで、[プリンタ登録名]を省略した場合に使用されるデフォルトプリンタを設定します。
この設定は、必要に応じて行ってください。

/usr/sbin/lpadmin -d [プリンタ登録名]

例:

[root@zzz /yyy]# /usr/sbin/lpadmin -d MX860

5. コンピュータの再起動

アンインストール

プリンタドライバのアンインストールを行う場合は、rootでログインしてください。

1. スプーラからプリンタを削除

ターミナルソフトのコマンドラインから、lpadminコマンドでプリンタのスプーラ登録を削除します。

/usr/sbin/lpadmin -x [プリンタ登録名]

プリンタ登録名]が「MX860」の場合の例:

[root@zzz /yyy]# /usr/sbin/lpadmin -x MX860

2. プリンタドライバのアンインストール

ターミナルソフトのコマンドラインから、以下のコマンドでプリンタドライバをアンインストールします。

[root@zzz /yyy]# cnijfilter-mx860series-rpm-pkgconfig.sh --uninstall